【配当株】日本たばこ産業(JT:2914)について分析してみた。株価・配当維持に向けて不安は?

日本たばこ産業(JT_2914)の銘柄分析

今回は、株価の下落により配当利回りが高くなっている、日本たばこ産業(JT:2914)について分析していきたいと思います。

昨今の配当株の人気により、個人投資家にも人気になっている銘柄ですので、視聴率(チェックしている個人投資家)が高いと思いますので、今回分析してみます。

日本たばこ産業(JT)のビジネスモデル

日本たばこ産業(JT_2914)の銘柄分析1

日本たばこ産業(JT)のビジネスモデルです。通称:JT法に守られた独占の国内タバコ事業で得られたキャッシュを海外のタバコ事業のM&Aやタバコ以外への事業に多角化をするのが、同社の基本的な戦略です。

過去には飲料などにも投資しておりましたが、事業規模が小さく国内の戦いで不利という理由で売却をしました。その売却理由を裏付けるように、現在は海外のタバコ事業を拡大しており、グローバルでシェアを取る方向に軸足が向いています。

日本たばこ産業(JT)の業績

日本たばこ産業(JT_2914)の銘柄分析2

次にJTの事業別の売上、営業利益の構成比です。M&Aなどにより、売上・利益の両方が既に海外の事業の方が国内の事業よりも大きくなっています。

またタバコの販売本数でも既に国内の販売本数を大きく超過しています。

日本たばこ産業(JT_2914)の銘柄分析3
画像引用:日本たばこ産業アニュアルレポート2018

皮肉ではありますが、この海外事業の慎重が同社の株価の重しの一因となっている部分ではあります。

海外のタバコ市場の売上シェア・ランキングからの考察

海外のタバコ市場の売上ランキングとシェア

海外のタバコ市場の売上ランキングを見ていきましょう。海外で存在感を発揮できない企業が多い中で、日本たばこ産業は4~5位と中々の存在感を放っています。

しかし、ここで意識しなければならない点が2つあります。

1.JTよりもシェアの多い会社が低PER・高配当の状態で株価が推移している
2.世界シェア4~5位の日本たばこ産業(JT)をわざわざ選んで買う意味

アメリカ高配当投資で人気のBritish America(BTI)は、タバコの売上シェア2位ですが、2019年夏時点ではPER10倍前後で配当利回り7%近い水準で推移しています。

そんな中で、世界シェア4~5位で推移している日本たばこ産業(JT)を買う意味(理由)は問われます。先ほど規模の原理が働くという日本たばこ産業自身の言葉からも、買われる優先順位はどうしても下がると言わざるを得ないでしょう。

深刻な外国人株主の減少

2014年2015年2016年2017年2018年2019年2Q
政府および地方公共機関33.4%33.4%33.4%33.4%33.4%33.4%
金融機関15.9%17.2%17.3%18.6%19.9%19.0%
金融商品取引業者2.3%2.8%2.8%3.3%3.2%4.5%
その他法人1.3%0.6%0.8%1.0%1.1%1.1%
外国法人(個人以外)33.6%32.1%30.9%27.4%20.0%16.9%
外国法人(個人)0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%
その他個人13.7%14.0%14.8%16.3%22.4%25.2%

有価証券報告書から、株主の推移を見てみると、外国人投資家が減り、国内の個人投資家が増えている構図です。

日本たばこ産業(JT)の財務面の不安

日本たばこ産業(JT_2914)の銘柄分析5

次に財務面を見ていきます。財務面できになるのはやはり”のれん”ですね。数々の海外企業のM&Aにより積み上がった”のれん”がその価値を維持できるのかが、同社の評価の最大の分かれ目でしょう。

“のれん”と無形資産の合計が約2.5兆円となり、純資産と近しい金額になる点が同社の最大のリスクだと判断します。

純有利子負債(現金-有利子負債)は約0.7兆円(約7,000億円)と、少なくはないですが調整前のフリーキャシュフローが約0.4兆円(約4,000億円)ぐらいありますし、自己株式も同等にありますので、今の所は問題ない水準と認識しています。

日本たばこ産業(JT)のリスク

日本たばこ産業(JT_2914)の銘柄分析6

最後に同社のリスクを考えてみます。国内外に多数の問題を抱えていますが、これは同じく医療や通信などの規制産業に共通する項目ですので同社だけが抱えている問題ではありません。個人的な判断としてリスク度「高」としました。

それ以外については、リスクといえばリスクですが、企業の存続に直ちに影響するものではないと言えます。また国内は風当たりは強いでしょうが、貴重な税収ですので、致命傷になる政策は打たれないと予想します。

日本たばこ産業(JT)の分析まとめ

リスク度「高」の海外での訴訟・規制については、”のれん”に直接効いてきますので、企業の存続に影響が大きいアキレス腱です。この訴訟・規制リスクと配当の天秤で判断をするべきでしょう。

ただ、仮に訴訟に負けて多額の金額が必要になったとしても、会社として生き残る手段はいくつか思いつく点や大株主が国であることを考えると、比較として適切ではありませんが、某電力会社のように最後は救うとは思っています。

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